2022年「What To Eat ?」創刊
「ソイレント・グリーン」という映画をご存知でしょうか?
1973年に公開されたアメリカ映画で、チャールトン・ヘストン主演の近未来SF映画です。
舞台は、人口爆発によって資源が枯渇し、人間以外の動植物が絶滅の危機に瀕している近未来。
肉や野菜といった本物の食料は、一部の特権階級しか食べられない高価なものになっていて、ソイレント・グリーンという配給食品の謎を追っていくと、その原材料はなんと人間だった・・・というお話です。
この映画の舞台になっているのが、2022年の地球。
幸い、現実世界の2022年では、人間以外の全動植物が絶滅の危機に瀕してはいないですし、スーパーには、肉も野菜も普通に並んでいます。
しかし、国連の推計によると、世界の人口は2050年には97億人に達すると予測されており、この映画が鳴らす警鐘が、まったく的外れとも言えないような状況が、近づいてきているのかもしれません。
例えば地球温暖化。
食に関わる分野からの温室効果ガスの排出量は、全体の20%〜35%を占めるとも言われていて、「何を食べるか」を考える際に、地球の温暖化のことまで考えなければならなくなってきています。
地球環境が有限であることが突きつけられている今、私たちは本能のままに食べ続けていいのか?という問いが立ち上がってきているように感じています。
地球環境にできるだけ負荷を与えないように、私たちは何を食べるべきか?
できるだけ健康に長く生きるために、私たちは何を食べるべきか?
より平等で公平な食環境を実現するために、私たちは何を食べるべきか?
そんなことを考えながら、さまざまな分野で「食の未来」に取り組んでいる人々を取材していこうと考えています。
環境問題に加えて、科学技術が加速度的に進歩していることも無視できません。これまでの30年とは次元の違う進歩がやってくることは確実だと言っていいでしょう。
内閣府が提唱している「Society 5.0」は、日本の未来社会のコンセプト。「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」「情報社会」の次にくる社会です。
みなさんは、どんな未来を望んでいますか?
個人的には、できることなら「食べること」が「楽しいこと」であり続けられる未来であったらいいなと考えています。
どんな驚くような未来がやってくるのかを楽しみにしながら、このメディアを運営していく所存です。
2022年5月30日
What To Eat ? 編集長
井澤 博
編集メンバー
井澤 博
What To Eat ? 編集長。一般社団法人みんなのフードポリシー理事。グラフィックデザイナー、Webデザイナー、プランナー。富山県出身。金沢大学文学部卒。2005年〜2014年、イタリアよりオリーブオイルを輸入しECサイト運営。神戸市在住。
井澤 裕子
一般社団法人みんなのフードポリシー代表理事。食品保健指導士。北海道札幌市出身。カリフォルニア美術大学グラフィックデザイン学科卒。2005年〜2014年、イタリアよりオリーブオイルを輸入しECサイト運営。神戸市在住。
執筆協力
小野 聖子
山形国際ドキュメンタリー映画祭のコーデイネーターを務めた後、現在は米国コネチカット州で夫、息子、猫一匹と暮らしながら、自ら立ち上げたZakka Filmsにて日本のドキュメンタリー映画を配給。
運営
一般社団法人みんなのフードポリシー
https://mfp.or.jp/
兵庫県神戸市須磨区清水台1-18-206