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b8ta Tokyo - Shibuya

「試したい」消費者と「試してほしい」メーカーをつなぐ「体験型ストア」b8ta。

「体験型ストア」として話題のb8ta(ベータ)。2021年11月にオープンしたばかりのb8ta Tokyo – Shibuya は、2020年オープンの新宿店、有楽町店に続く3店舗目。食品の取り扱いがある点が他の2店舗との違いです。

ゼネラルマネージャーの齊藤裕希さんにお話を聞きました。

RaaS とは

消費者に手にとって体験してもらいたい商品・サービスを持つ企業に対し、スペースをサブスクリプションで提供する店舗がb8ta です。ただし、b8ta は単に販売スペースを貸すだけではありません。b8ta が提供する接客サービスや在庫管理、物流サポート、売上実績を販売動向の分析に役立てるPOS(販売時点情報管理)などを企業が利用できる仕組みなのです。

このような仕組みを、「サービスとしての小売」という意味の、RaaS(ラース:Retail as a Service)といいます。

b8ta渋谷店 店長の齊藤裕希さん
ゼネラルマネージャーの齊藤裕希さん

RaaS 登場の背景には、最近の購買方法の多様化があります。

お店に行って商品を選び、レジで現金かクレジットカードを使って代金を払う…以前の買い物はこんな感じでした。しかし、ここ10〜20年で、人々の買い物の形は大きく変化し、今では購買方法も支払い方法も多種多様です。

こういった多様な購買システムの中で、オンラインのみで販売する企業や、販売網ができていないスタートアップ企業など、消費者との接点を持たない企業や、データ収集や分析などのシステムを自社では持たない企業も数多く存在します。そういった企業のニーズを補うことができるのがRaaS なのです。

企業からレクチャーを受けて十分な商品知識を持ったb8ta のスタッフ(b8ta テスター)が、企業の代わりに店頭で接客。b8ta は、接客で得た消費者の「生の声」を集約し、店内での様子や移動の動線情報などともに、企業に提供します。

b8ta Tokyo - Shibuya
店内には新商品から販売前のベータ版、話題の商品・サービスなどが並ぶ。QR コードを読み込むと詳しい商品説明が確認できる
b8ta Tokyo - Shibuya
b8ta Tokyo – Shibuya は、食品の取り扱いがあるのが特徴

体験を楽しむストア

一方、消費者の側から見ると、オンライン販売のみの商品や、開発されたばかりの新商品、まだ正式には販売されていないベータ版の商品などを、手にとって試したり、試食したり体験できるストアになります。

QR コードを読み込むことで商品ごとの詳細情報が見られ、質問があれば、b8ta テスターが丁寧に答えてくれます。スマホにb8taのアプリを入れると、アンケートで商品の感想などを企業に直接伝えることができ、アンケートに答えることでノベルティなどがもらえる仕組みもあります。

b8ta アプリの画面。商品の詳細情報やb8ta のイベント情報などもみることができる
米国シリコンバレーのスタートアップ、Yo-Kai Expressのラーメン自動販売機。
米国ではすでに空港や病院、大学などで稼働している

体験型ストアには、目当ての商品を体験できる楽しみのほかにも、店内を見てまわることで、“新たな商品と出会う” 楽しみがあります。

What to Eat? 編集部(私のこと)は、一般の小売店では買えない「ZENB NOODLE」を試すつもりでいましたが、店内で初めて知ったヴィーガン餃子を試食したところ気に入り、結局その2商品を購入しました。

日産自動車のクロスオーバーEV「ARIYA」も運転席に乗ってみて、おおいに心惹かれましたが、こちらはさすがに体験だけで諦めました。

※現在、ARIYA の展示は終了していますのでご了承ください。

日産「ARIYA」
日産自動車のクロスオーバーEV「ARIYA」。走行はできないが、運転席で乗り心地を楽しめる

オンライン販売、無人レジなど人を介さない販売方法も増える中、b8ta テスターに説明してもらいながら、心ゆくまで商品を試してみることができる店の楽しさを改めて実感しました。

新しい商品や体験を求める消費者と、消費者に試してもらいたい商品を持つ企業をつなぐ接点として、新しい小売の形を提案するb8ta を今後も注目したいと思います。

取材・文 / 井澤裕子

b8ta Tokyo – Shibuya

東京都渋谷区渋谷1丁目14番11号 小林ビル1階