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食のコラム

ヴィーガン人口増えている?

肉や魚を食べない人をベジタリアンというのに対し、ヴィーガンとは、乳製品や卵など、動物性のもの全てを食べない完全菜食主義者のことです。さらに、食品だけでなく、動物の皮でできた製品や、動物実験をしている会社の製品は買わないなど、ストイックに動物性のものを排除する人をエシカル・ヴィーガンというそうです。

いっぽう、完全なヴィーガンではなくても、週1日以上、意識的に動物性食品を減らしている人たちもいて、「フレキシタリアン」「セミベジタリアン」「ゆるベジ」などと呼ばれています。

また、肉は食べなくても魚は食べる「ペスカタリアン」と呼ばれる人たちもいます。食もどんどん多様化していますね。

ヴィーガン人口はどのくらい?

日本国内でもヴィーガン人口が増えているように感じます。プラントベースの情報サイトVegewelとその運営会社フレンバシーの調査によると、2021年12月時点での日本のベジタリアン率は5.1%。そのうちヴィーガンは2.2%だそうです。単純計算で全国民の人口が1億2000万なので、5%は600万人。20人にひとりがベジタリアンということになります。決して少なくない数字ですね。

アメリカやオーストラリア、ドイツでは、ヴィーガンやベジタリアン人口はもっと増えており、2019年時点でアメリカの人口の7〜8%がベジタリアン、オーストラリアはもっと多く10%。ドイツも10%程度がベジタリアンと言われています。

ヴィーガンを選択する理由とは?

ヴィーガンを選択する理由と考えられる代表的なものを以下にあげてみました。

●動物愛護の観点から

ヨガの哲学の中にはアヒムサといって「非暴力、不殺生」の教えがあります。ヨガ人口が増えているので、ヴィーガン人口の増加にはその影響もありそうです。仏教の精進料理も、生臭物(肉や魚介)を使いませんが、精進料理はその他にもニラやにんにく、ネギなど、匂いや刺激の強い食材も使わないなど、厳しい制限があります。

●環境への配慮

広い土地を必要とし、水や飼料としての穀物などの資源を大量に使う畜産は、環境破壊の観点から見ると負荷が大きく、そのほかにも、牛のゲップのメタンガスが温室効果を招き温暖化を促進するなどさまざまな問題が顕著化してきています。

●健康被害への意識

肉や乳製品などの動物性食品は、タンパク質やカルシウムなど高い栄養価が評価される一方、飽和脂肪酸やコレステロールが過多になります。摂取を控えることで生活習慣病のリスクが軽減するとも言われています。

ヴィーガン商品の認証について

その商品がヴィーガンかどうかわかるように、各国の協会などが認証マークを作っています。イギリスの「The Vegan Society」、アメリカの「CERTIFIED VEGAN」などたくさんありますが、民間団体の認証が多いようです。日本でVEGAN認証を発行しているベジプロダクトジャパンも特定非営利活動法人(NPO法人)です。

サステナブルの情報メディア、SUSTERRAのサイトが各国の認証についての情報をあげてくれています。

ヴィーガンではなくても、ちょっと体調が悪くて消化する力が落ちているなと感じたり、環境負荷に与える影響が気になってきたりなど、ふとしたきっかけでヴィーガン食に興味をもつ人もいるようです。食事のバリエーションのひとつとして楽しむ人は、今後も増えていくのではないでしょうか。

文 / 井澤裕子